恋愛、結婚生活での比較

前回の記事は、劣等感と優越感の根底には比較という行為があることについてでした。

今回のテーマは恋愛と結婚生活においての比較です。

幸せの定義


あなたが恋愛や結婚生活において理想と現実とのギャップに悩んでいるならば、先ずは、自分の理想が他人の状況と比較した上でつくられたものでないかどうかを考えてみてください。

あなたは、他人と比較して、自分がどこにいれば幸せか、幸せでないかと考えていないでしょうか?

ここで言う、他人とは、特定の知り合いかもしれませんし、会ったことのない有名人かもしれませんし、社会のあるグループのことかもしれませんし、誰かに聞いた幸せな人のことかもしれません。

あなたが、他人と比較して幸せというものを定義しているならば、その他人をあなたの比較の対象、すなわち、理想とする考え自体がどこから来たものかを考えてみてください。

育った社会環境から?親から?学校教育から?友人から?尊敬する先輩から?好きな芸能人から?雑誌から?わからないけど物心ついた時から?など、いろいろあるかと思います。

どこから来たかはわからないけれど、「そういうものだから」とか、「それが常識だから」とかいう考えを持っているとしたら、あなたは今持っている観念に縛られているということです。

自分の幸せの定義に、誰が、そして、どんな環境が影響を及ぼしているかがわかれば、この先自分がそれに固執し続ける価値があるのかどうかが見えてきます。

今理想としているものは、この先も本当に理想として追っていく価値があるのでしょうか?

この先、社会の状況が変われば、人々の生活も変わり、あなたの理想も崩れてしまうかもしれません。

今のあなたの理想が物質的な要素を多く含んでいるならば、あなたの価値観が変われば、きっと理想も変わるでしょう。

そう考えると、他人と比較して自分が幸せかどうかを判断するのは、はかないことに思えます。

私たちの多くは、競争社会で生きていくことを教えられ、誰々を見習えとか、誰々の様になるなと言われて育ってきました。

私たちは、社会が定義した勝ち組とか負け組とかいう区別に自分を照らし合わせて、自分が勝ち組なら優越感を、負け組なら劣等感を持ったりします。

私たちが、自分を他人と比較して、劣等感や優越感を持つから、物が売れて商売が成り立つのも事実です。

せめて自分の恋愛や結婚生活においては、他人との比較を通して自分が幸せかどうかを感じるのではなく、自分の内と向かい合って、物質的な豊かさとは離れたところで幸せを感じたいものです。

Source: gratisography.com

理想と現実


あたりまえのことですが、あなたの理想は、未だ現実ではなく、あなたの思考の中にある状態です。

わたしたちが、「理想と現実が違う」と、実際には未だ体験していない理想と比較して悩むのもおかしな話です。

それは、実際に体験しなくても、思考の中に存在するだけで、わたしたちを悩ませるのには充分なのです。

実際には体験していなくても、思考の中にあるというだけで、劣等感を持ったり、憤りを感じたりと感情的になることができるのです。

引き寄せの法則は、思考は現実になると言います。

あなたが思考することが、あなたが体験することとなると。

好ましい体験でも、好ましくない体験であっても、あなた自身が創造して引き寄せているのだと。

思考の中のことも現実も、もとを正せば一緒なのかもしれません。

理想と現実の話に戻ります。

あなたが、理想と現実とのギャップに悩んでいるなら、あなたは、物質的に体験したことのない理想と現実とのギャップに悩んでいるということになります。

体験したことはないけれど、人との比較を通してあなたの思考の中で理想とする状態と、現状とのギャップを感じているのです。

妄想と現実とのギャップと言えるかもしれません。

そう考えると、理想が高すぎると言う状態は、妄想が大きすぎるとも取れますね。

あなたの妄想ともいえる理想にこだわるより、現状に向き合っていった方がよさそうです。

目標とする理想は進歩していくのには必要でしょうが、先ずは、現状を認めて、現状に対して「これでいいのだ」と肯定できるようになることをおすすめします。

現状を認めて感謝できれば尚よしです。

引き寄せの法則でも、現状に感謝するのが第一歩だと言われています。

現状を肯定するのができないという場合は、現状に対するネガティブな思いと向き合うことからはじめたらどうでしょうか?

これについては、前の記事、“恋愛の現状への疑問とネガティブな感情の肯定”をご覧ください。

比較は人間の習性


他人と比較して、自分にはあれもない、これもないという見方をするより、自分に今どれだけのものがあるか、どれだけの人たちが関わってくれているかに焦点を合わせることが重要になってきます。

現状と向き合うのを避けては、状況は変わらないのです。

比較することにはいいも悪いもありません。

人間の習性ですから。

比較することで、自分が他人とは違うということを知るのですから。

生まれながらに、ルックスも金銭的にも恵まれている人はたくさんいますし、世の中は公平ではありません。

でも、自分は今の状況を体験するように生まれただけで、そういう人たちとは役割が違うだけなのです。

他人と違うというだけで、劣等感も優越感も持つ必要はないのです。