言ってはいけないことを言ってしまった

恋人に言ってはいけない言葉とか、好きな人に対するNGワードとかをネットや雑誌で見て参考にしている方もいらっしゃるかと思います。

これらの多くは、相手の考えや行動を否定したり、相手の自尊心を傷つけたり、相手の嫉妬心を掻き立てたりする言葉です。

また、相手がコンプレックスを持っている身体的特徴や、ファッションセンスなどの身だしなみに関することだったりもします。

ひどいと相手の存在自体を否定する言葉までありますが、相手に対してかなり憤慨しないとそこまでの言葉は出ません。

相手があなたの口から何気なく出た言葉で怒るのは、それが事実だったり、相手にとって面白くないことだったりするからです。

全くの勘違いや、何とも思っていないことについては怒ったり、傷ついたりはしません。

そして、それらの言葉は、あなたの口からつい本心で出てしまったものが殆どです。

マニュアルを見て言ってはいけない言葉を覚えて、それだけを言わないようにしても、あなたがよっぽど相手に遠慮しながら常に話をするように気をつけていない限り、相手を怒らせてしまう可能性のある言葉があなたの本心から出てくるのを止めることはできないでしょう。

言ってはいけない言葉を言わないようにと考えて話しているうちは、本心から相手と話すことはできません。

それは、相手に気を使い、関係を壊さないようにと怯えながら話している状態であり、相手に対して自分が偽りの仮面をかぶっている状態でもあります。

それでも関係を継続させるために、あなたが言いたいことを言わないでいたら、ストレスがたまって疲れて、いつかは爆発するでしょう。



本心から出てくる言葉には重みがあります。

必要以上のおだてや、お世辞など意図的に選んで出てきた言葉には重みがありません。

そして、つい口から滑り出てしまう言葉が本心だったりします。

その人が何気なく使う言葉や言葉尻にその人の本質が現れます。

だから、どんなテクニックを使っても、見る人が見ればその人が本心で言っているかそうでないかがわかるのです。

二人の仲が進んでいくにつれ、お互いが本心で話せるようになるのが関係をより深いものにしていくのにはかかせないことだと思います。

逆に言えば、関係をより深いものにしていくには、お互いが本心で話せるようにならないと難しいでしょう。

あなたが二人の関係が険悪になる言葉を言うのを避けるには、あなたが寛大になって、相手をもっと受け入れられるようになり、相手に小さいことを言う必要がなくなるか、相手があなたを受け入れ、あなたの言葉を大事なアドバイスとして聞けるようになって、笑顔で「ありがとう」と言えるようになるかです。

あなたが何かを相手に言いたい時、事前にそれが相手の気を損ねる可能性があることをあなたが察知している場合は、相手に直接関係がない人の話として「こういう人がいたそうだけど、どう思う?」とか、あなたでない第三者が言っていたこととして、「何々と、誰々が言ってたけど、あなたはどう思う?」とあなたが気に入らない相手の特徴をあたかも他人の事のように話すのが、あなたが相手について伝えたいことを気づいてもらうには効果的です。

既に、あなたが言った言葉で二人の関係が険悪になっている場合は、先ずはあなたが心を開いて先に歩み寄ることです。

変なプライドはいりません。

謝りましょう。

あなたがひどいことを言ったと自覚している場合は、あなたが言ったことについて謝り、仮にあなたが言ったことを悪いと思っていなくても、“あなたが相手を怒らせてしまったという事実”について謝りましょう。

その時、いつものように相手の反応に腹を立てて余計なことを言い返さないようにしましょう。

そして、あなたからその言葉が出た裏にある感情、相手の怒りの裏にある感情について話し合いましょう。

衝突が起きた時にお互いが言った言葉、取った行動には感情的理由があります。

お互いがお互いの都合があって言った言葉、取った行動であることを認め、それを受け入れることができればその後の解決は早いです。

感情的になって流されることなく客観視するのがカギです。

このように自分たちの感情を客観的に見られると、感情的な罠にかかっている状態、すなわち、今の関係が険悪な状態から抜け出せます。

相手が一緒に話し合いに乗ってくれなくても、自分一人で状況を客観視してみてください。

言ってはいけないことを言った時の自分の感情と相手が持ったであろう感情、そして、それに対して後悔している自分を客観視して見ることを試みると一つ上のレベルで状況をとらえることができますので、楽になると思います。