聞き上手で自然とはずむ会話術

聞き上手は得


前回の記事、異性に嫌われないコツの一つとして、“聞き役になる”ということを書きましたが、これについて今回は更に掘り下げていきたいと思います。

聞き上手になることは、人に好かれるだけでなく、人生でのチャンスにも恵まれます。

聞き上手という事は、人に話させるのが上手いということで、別な言い方をすれば、人からより多くの情報を得ることができるということでもあります。

聞き上手になることで、人から情報を引き出すということを意識せずにも、自然と情報が入ってくる環境ができるというほうが、表現としては適切でしょう。

チャンスは人から巡ってくるものなので、「私は、いつでも聞く準備が出来ています」という姿勢でいることは、人生に大きな違いを生みます。

それでは、聞き上手になる為のコツを見てみましょう。


オープンクエスチョンで話下手でも会話が弾む


相手の話すことを肯定して、それに対して「それでどうなったの?」とか、「どう感じたの?」とか、オープンクエスチョンを投げかけてあげることが、聞き上手になるポイントでしょう。

オープンクエスチョンとは、質問に対する答えがオープン、すなわち、自由な形を取れる質問の事です。Open-ended questionとも呼ばれます。

その逆は、クローズドクエスチョンと言い、質問に対する答えがクローズド、すなわち、閉じられる形を取る質問の事です。Closed-ended questionとも呼ばれます。

オープンクエスチョンの例を挙げると、「週末は何をしたの?」とか、ある出来事に対して「どう感じたの?」というものがあります。これに対する相手の答えは自由自在であり、その後の会話の流れも予測できません。

クローズドクエスチョンの例としては、質問に対する答えが「イエスかノーか」の様に限られているものが代表的です。上記の例と対比したクローズドクエスチョンの例を挙げると、「週末は家にいたの?」とか、ある出来事に対して「ハッピーだった?」、「悲しかった?」というようなものが挙げられます。

クローズドクエスチョンでは、答えのパターンを限定しますので、会話の流れが広がる可能性が狭まります。ちなみに、誘導尋問などは、クローズドクエスチョンの形を取ります。

クローズドクエスチョンより、オープンクエスチョンの方が、その後の会話の流れの可能性が広がることがおわかりいただけると思います。

オープンクエスチョン、クローズドクエスチョンを投げかける以前に、相手に質問する余裕もなく、勝手に自分の意見を述べて話を結論づけてしまう人もいます。

相手が話した出来事に対して、質問する間もなく、いきなり「私だったら、ブチ切れる」とか、「俺だったら、飛び上がって喜ぶ」とか自分の気持ちを述べて話を乗っ取ってしまうのです。

これでは、会話が弾みません。こういう人は、おしゃべりで自分の事ばかり弾丸トークで話まくるタイプが多いです。

オープンクエスチョンを実践するのは、おしゃべりの人には、ちょっときついかもしれませんが、話下手の人が、会話を弾ませる助けになるでしょう。


会話の流れを止める心理テクニック


オープンクエスチョンによる回答は自由自在なので、あなたは会話の流れをコントロールすることはできません。うまくいくと会話は勝手に弾んでいきます。

そうなると、相手は話すのに夢中になりますので、あなたは戦略的な心理テクニックを会話に使う暇も必要もなくなります。

心理テクニックを使うということは、会話の流れをコントロールしようとする力が働くので、あなたの相手への質問はクローズドクエスチョンになりがちです。

そうすると話が自由にふくらむのを妨げてしまいます。

あなたには何でも話せるとか、話すのが楽しくて時間が経つのを忘れるとか言われたければ、話し方テクニックの事は忘れて、オープンクエスチョンを投げかけて話が勝手に流れるのを楽しむのをお勧めします。

相手の感情を表現する言葉を逃さない


また、相手にもっと話をさせるには、相手の感情的な反応を敏感にピックアップするのがキーとなります。

人間は感情の動物です。

相手の会話に集中して、会話の中に以下の感情が表われているのをキャッチしてください。

嬉しい、楽しい、誇らしい、腹が立つ、悲しい、恥ずかしい、許せない、嫌、うらやましい、気味悪い、憎らしい、恨めしい、残念、困惑する、などなど、他にもいろいろありますが、感情を表現した時にそれに対してツッコミを入れるようにしましょう。

この時は、相手が言葉にした感情を認めて、肯定してあげるのがいいでしょう。

実際は、人が話すこと全てが感情と結びついているのですが、その話の裏にある感情まで探る必要はありません。

感情をダイレクトに表す言葉に対して、反応して、できればオープンクエスチョンを投げかけましょう。

気の利いた言葉があなたから出てこなければ、相手が発した感情語のリピートでもいいですし、「そうだったんだー」とか、「それは興味深い」とか、「それでどうなったの」とかでもオッケーです。

感情移入しない


その際、あなたの発する言葉は、いい悪いの判断をしない中立的なものであることが好ましいです。

また、相手に感情移入して一緒に感情的にならないことも重要です。

例えば、頭にきた話や、悲しい話を聞いて同調すると、こっちまでむしゃくしゃした気分になったり、悲しくなったりします。

ネガティブな感情エネルギーを受け取ってしまうのです。

相手の話を親身に聞いているけれど、感情的に同調はしないようにしましょう。

だからといって、上の空で興味ない態度ではいけません。

ちゃんと聞いているけれど、感情エネルギーは受け流しているという状態をイメージしてみて下さい。

慣れてくると、ネガティブなことばかり言う人の言うことも聞いていて疲れるということが無くなります。

感謝の意を表す


最後に、話してくれた相手に感謝することを忘れずに。

相手が時間を取って話してくれたこと、あなたが楽しかったということ、貴重な話を聞けたことに「ありがとう」と言いましょう。

「自分が話を聞いてやった」と言う態度は禁物です。

相手は、話をできてスッキリしている上に、感謝されて、喜ぶでしょう。

あなたが、無理して相手の話を聞くようでは、苦痛になり続きません。

本気で、相手の話を聞くのを楽しいと思いこめば、必ずうまくいきます。