聴覚から感受性を高める方法

感受性を高めるための五感のエクササイズとして、前回、前々回の記事では視覚嗅覚について紹介しました。

この記事では、聴覚についてです。

聴覚のはたらき


人間の五感の中で、赤ちゃんの時に一番発達するのが聴覚だそうです。

私たちは、耳から入ってくる音で、癒されることも、疲れさせられることもあります。

音は人の感情に作用します。

私たちは音楽でリラックスしたり、懐かしく感じたり、涙が出たり、恐怖を感じたり、楽しくなったり、踊りたくなったりします。

聴覚は、音を選別するようにも出来ています。

雑音を無視して、ある音だけに集中してピックアップしたりもできます。

大勢が話す中で、ある人の話だけ聞くことも、ある人の話を聞き流すこともできます。

また、耳は音に慣れると、騒音でも気にならなくなるそうです。

都会の喧騒で、騒音に慣れると聴覚が鈍感になるそうです。

また、私たちの聴覚は身体のバランスをとる役目もしています。

聴力が失われるとバランスをとるのが難しくなるそうです。

視覚でえたものを聴覚より優先する


視覚は、聴覚を邪魔することがあります。

視覚で認識することの影響力は大きいので、聴覚だけで感じたことが、打ち消されてしまうこともあります。

声と見た目のイメージが違うと、見た後でがっかりしたり、その逆もあるでしょう。

音に集中する時、人は目を閉じます。

これも、視覚が邪魔をしないようにする自然な反応でしょう。



耳に聞こえない音


人間は、音が空気の振動として耳に伝わり、電気信号が脳に送られることで音を認識します。

人間が聞く事ができる音の周波数は20ヘルツから20,000ヘルツの間くらいと言われています。子供ほど高周波の音が聞こえて、年を取るにつれて下がり、老人だと20ヘルツから8,000ヘルツくらいまで下がると言われています。

低周波の音は、タービンやエンジン音などの機械から発せられる音に多く、都会の騒音の多くはこの低周波の音に入ります。

低周波の音は、聞こえない20ヘルツ以下のレベルでも、窓のカタカタ音などの振動の原因となるそうです。

自然界において、耳で聞こえないレベルの低周波の音は、悪天候、地震、雪崩、噴火、雷などで発せられるそうです。

耳に聞こえないレベルの低周波の音は、恐怖や畏怖の念を起こさせる働きもするそうで、このレベルの低周波に長くさらされて気分が悪くなったという例も多々あります。

逆に高周波の音は、自然界に多く存在し、鳥の声、川のせせらぎ、葉っぱの揺らぐ音等が代表的です。

高周波の音は、脳を活性化させ、心身ともにリラックスさせる効果があるそうです。

リラクゼーションCDに自然の音が使われているのもうなづけます。

しかし、CDの音源は、人間が音として認識できるとされる上限の少し上の、22,000ヘルツくらいまででカットされているそうです。

実際の自然界の音はそれ以上の高周波で、人間では聞き取れない超音波も含まれているそうです。

これらの高周波の音は耳では聞こえなくても、脳には伝わっているそうです。

楽器の演奏でもこの聞こえない高周波の音があるそうで、CDで聞くより実際に生で聞くと明らかに感動が違うのは、目の前で見て肌で波動を感じているからなのはもちろんですが、聞き取れないけれど脳に伝わる高周波とも関係があるようです。

これらのことから、人間は耳に聞こえない音でも感じることができ、聞こえない音が気づかないうちに心身に影響を与えていると言うことです。

聞こえなくても、脳に伝わり、影響を与えるということです。

聞くエクササイズ


上記の事実は、私たちの聴覚は大人になるにつれ、また、現代社会の喧騒の中で暮らすことでどんどん鈍化していくということを示唆しています。

また、私たちが聞こえないレベルの音を感じる能力を持ち、この聞こえない音が私たちに影響を及ぼしていることもわかります。

聴覚を磨くことによって、ちょっとした音の変化や隠れた性質に気づくようになり、聞こえない音さえも敏感に感じて生活に役立たせることができるようになることが期待されます。

以下は、聴覚を磨くためのエクササイズです。

生活の中で普段無視している音に注意を注ぐ


何かをしながらでもいいので、ふとバックグラウンドの音や、普段気にもしない雑音などにも耳を向けてみましょう。

音楽の各楽器の音に集中する


音楽を聴いている時に、特定の楽器の音に集中してみましょう。

ベースの音だけに集中したり、ドラムだけに集中したりというようにです。

自然の音を聞く


自然豊かな静かな所で、目をつむってリラックスして、鳥などの生き物や植物の音を聞き分けてみましょう。

色々な周波数の音を聞く


色々な周波数の音を聞き分けて、自分の中でどのような感情的変化があるかみるのもいいでしょう。

周波数の違う音叉の音を聞けるサイトや、周波数音源がネット上で聞けるサービスやアプリもあるようです。

機会があれば、実物の音叉やシンギングボウルの奏でる音を聞くのもお勧めです。

実物は音に奥行きがあり、録音音源とは違います。

呼吸と鼓動を聞く


自分や親しい人の呼吸や鼓動を注意して聞いてみましょう。

静寂を聞く


音と音の間の切れ間に意識を集中してみましょう。

音と音の間の静寂がかもしだす効果を感じてみましょう。


以上のエクササイズを繰り返しする度に、いままで気づかなかった発見があることでしょう。

感受性を豊かにするコツの一覧はこちらです。