今回は五感の中の視覚のエクササイズについてです。
あるがままに見る
これは、観念を通して物を見ることをやめるエクササイズです。
あたりまえと思っている物をあたりまえの物として見ない練習です。
例えば、鉛筆を鉛筆として見ない。
鉛筆は鉛筆以外の何物でもなく、鉛筆であたりまえというのは、あなたの固定観念がそれを鉛筆として認識しているからです。
要は、それを見たら“鉛筆”と認識するように、あなたの脳にプログラムされているのです。
それが、ただの鉛筆だと片づければ、それ以上注意を注ぐことはありません。
しかし、それが全く初めて見るものだとしたらどうでしょうか?
人は初めて見るものはよく観察します。
何に使うか、見当がつかなければいろいろ想像を膨らませます。
幼い子供を見ればわかると思いますが、大人にしたらつまらないものに、大きな興味を示し、いつまでも繰り返し、それで遊んでいますよね。
今まで、当たり前として認識していた物を、そういう視点で見ると、今まで気づこうともしなかった要素が見えてきます。
そういう視点が、物をありのままに見る視点でもあります。
自分の観念を除いて、そのものに判断を下さず、そのもの本来の存在自体を見ようとする視点が、ありのままに見る視点です。
鉛筆だと、全体の形、輪郭、構造、なまりの芯の材質感、本体に使われている色、木目、臭い、触った感触などなど。。。
そして、そこから、あなたが連想するものもあるかもしれません。
過去の事だったり、全然関連性の思い当たらないことだったりと、鉛筆一本から色々なことが感じ取れることがわかります。
それを鉛筆であると、意味を与えているのは、実はあなたの思考なのです。
ありのままの姿は鉛筆じゃないかもしれませんが、あなたの中では鉛筆として見ているのです。
まったく初めて見る人にとっては、意味の見いだせない物、もしくは、なんだかわからない物だったりするのです。
鉛筆だけでなく、色々なものに当てはめてみてください、コップでも、自分の指でも、何でも構いません。
こういう見方をすると、今まで無視していて気がつかなかったことを、その物から感じとることができます。
そのものが持つエネルギーを感じることが出来ると言ってもいいでしょう。
物にはもともとエネルギーがあり、加工品ならば作った人、所有した人のエネルギーが宿ると言われています。
このことは、後ほど詳しく書きたいと思います。
違う視点で見る
違う視点で見るとは、違う観点、すなわち、違う立場から見ると言うことです。
使い手の視点でつくられた、痛いところに手が届く商品は売れるのは、当然のこととして語られていますね。
子供のおもちゃは子供の視点でないと人気商品にはならないでしょう。
特定のオタクの人たちに価値があるものでも、他の人にとっては、同じものにその価値を見出すことができません。
普段注意しない家の中の細部にも、注意を注ぐと今まで気づかなかったことに気づきます。
あなたが普段何気なく使っているものでも、人によっては違う用途があるかもしれません。
自分がその物の作り手や、売り手になったつもりの視点で見ると、新しい発見があるのではないでしょうか?
その物の細部、材質、形、色にも、きっと、誰かの思い入れや労力が関わっていることでしょう。
あなたのゴミは誰かの宝かも知れません。
そういう視点でものを見ると、色々なものを興味をもって見れるようになり、見る世界も広がります。
違う視点を持つことで、見慣れたものに対しても、今まで見えなかったものが、見えるようになります。
いろんな人の立場にたったつもりで、同じものを見ることを続けていると、色々な側面が見えてきます。
何でもない物までもが、インスピレーションを与えてくれる生きたものに見えてきます。
周囲全体に目を向ける
これは、一点に焦点を置かずに全体を見ることで、環境または集合体の醸し出すエネルギー、雰囲気を感じ取るエクササイズです。
周りの物を、出来る限り、そのままの物として一つの特徴に集中せずに見ることを心がけます。
なるべく、視覚に入る全てに対して集中せずに、一つの絵として見ることです。
はたから見たら、ぼーっとして焦点が合っていない状態に見えるかもしれません。
ぼーっとしている時、人は、考えるのに夢中だったりしますが、このエクササイズでは、考えず、意図的に一点に集中しないで周囲全体を見ることに神経を注ぎます。
この時、目に入るものに対して、あなたの固定観念が判断をくださないようにしてください。
エクササイズ中だけは、目に入るもの全てが、あなたにとっては、同じように価値がないもの、あるいは、同じだけの価値を持つものであるというふうに考えてみてください。
私たちは思考で視覚に入るものを解釈するようにできています。
昔は視覚に入ったものを脳が認識してから、思考すると考えられていたようですが、この理論では反射的な反応などを説明するのに限界があります。
実際は思考が見るものを決めているみたいです。
過去の経験と知識にもとづいて形成されたあなたの観念がつくる思考が、あなたが視覚的に認識するものを決めていると言うことです。
だから、人によって物事の見方が違かったり、同じものを見ても違う印象を持ったり、同じ風景でも目が行くところが違かったりするのです。
ですから、このエクササイズに限らず、他のエクササイズもですが、あなたの思考がつくる視覚的認識のパターンから離れて、ものを見る能力を養うのに効果的です。
“木を見て森を見ず”という状態におちいらない為にも役立つと思われます。
植物の輪郭を見る
これは物が持つエネルギーを感じ取るエクササイズです。
キルリアン写真をいうものをご存知でしょうか?
キルリアン写真とは、生きたものの放つエネルギーを光としてとらえることの出来る写真です。
キルリアン写真で撮った写真は輪郭に光のオーラが見えます。
興味がある方は、“キルリアン写真”で検索して見てください。
生き物のオーラは練習によって見ることができます。
オーラはエネルギーです。
オーラは目で見えなくても、感じることは既に誰にでも出来ています。
「あの人はオーラが強い」とか、普通に言いますよね。
近くに居たり、部屋に入ってきたりするだけで場の雰囲気が変わる人(ポジティブにもネガティブにも)が知り合いにいませんか?
楽しく話しているところに、怒っている人が入ってきたら、場の雰囲気が変わります。
あなたには、パーソナルスペースと言うものがあって、あまり近寄られると、不快感を覚える距離ってありますよね。
これらは、人のオーラ(エネルギー)の作用です。
植物、特に、大きな木のオーラを見るのは意外と簡単です。
空が晴れた日に、大きな木の輪郭を見てください。
バックには青空だけで何もないようにしてください。
空と木の境の輪郭だけをしばらく見つめていると、輪郭に空と違う色が微妙に浮かび上がってくるのがわかると思います。
輪郭が光の線で囲まれているように見えるかも知れません。
これが木のオーラです。
逆光で見ると、残像と混じってわからないと思いますので、太陽を背にしてみるのがよろしいかと思います。
一回で見えなくても、別の機会にまたやってみてください。
生き生きした植物ほど、発するエネルギーも強いです。
これは植物だけでなく、人間や動物も一緒です。
実際にオーラを見ることで、物質が発するエネルギーに対する理解と感受性を育む助けになります。
感受性を豊かにするコツの一覧はこちらです。