五感を鍛えて感受性を豊かにする方法について書いてきましたが、最後にその他もろもろのトレーニング方法についてこの記事にまとめます。
人間観察をする
人間ウォッチングが趣味という人もいらっしゃると思いますが、趣味にまではしないまでも、他人を観察することで気づくことはたくさんあります。
ここでは、人のあら捜しをしたり、心理学的に分析したりすることを勧めているのではありません。
人を見て、雰囲気や、しぐさ、顔つき、恰好、姿勢、動きなどに注意するようになると、今まで気づかなかったようなことを感じ取れるようになります。
そして、些細な動きから相手の感情や精神状態を感じ取れるようになり、人を見る目も養うことができます。
あくまで感じることが重要で、知識をもとに分析してしまうと、論理的に判断することになるので、感受性の妨げになります。
自分勝手で自分にしか興味がない人は、人を観察することに慣れていないでしょう。
そういう人に限って、他人の事に鈍感だったり、人を見る目がなかったりします。
加えて、うぬぼれも強くて己を知らなかったりします。
他人を観察することに興味を持つと、人の内面的特徴や気持ちもわかるようになるだけでなく、自分のことも客観的に見られるようになります。
「人は自分をうつしだす鏡」と言います。
昔から「人のふり見て我がふり直せ」とも言います。
精神世界では、あなたとすべての他人は、結局は一つであり、つながっているのだとも言われています。
他人の事は、意識すれば見えるし、意識しなければ見えません。
「人間ウォッチングなど、暇人がやる馬鹿らしいこと」と見れば、そこから何も得られるものはありません。
逆に、意識を変えれば、人間ウォッチングから得られることに限りはないでしょう。
究極的には、他人を観察することは自分を知ることに結び付いているようです。
人の立場を尊重する
これは上記の他人に興味の無い人の例と同様で、人の立場を考えずに自己中心的になると、情報の受け口が狭くなり、感受能力をも制限してしまうことを意味します。
現実にはその人にはなれなくても、その人の立場になったつもりで同じ状況をみることで、自分中心の視点では気づかない事に感づくことができます。
そして、相手を尊重する態度をあなたが見せれば、あなたに対してリラックスした相手からより多くの情報を受け取ることもできます。
論理的に考えない
論理的思考が、感受性の妨げになることについては、前の記事で何度か書いていますが、“感覚的に生きることのススメ”にまとめてありますのでそちらをご覧ください。
余計な思考を捨てて、感受性が磨く一つの方法として瞑想があります。
瞑想について詳しくは、前の記事“思考を捨てる方法”をご覧ください。
こだわりを捨てる
こだわりは、持つ人の視野を狭くしますので、情報の受け口が狭くなり、感受能力を制限してしまいます。
詳しくは、前の記事、“こだわりは自由を奪う”をご覧ください。
身体の動きに意識を向ける
私たちの身体は無意識のうちに、何かを感じて反応していたりするものです。
例えば、気づかないうちに、嫌なことに対して身体がのけぞっていたり、逆に、興味あることに対して前のめりになっていたりと言うのは誰でも経験があるのではないでしょうか?
身体は正直に反応するものなので、自分の身体の動きに注意すると無意識のうちに自分がどう感じているのかがわかったりします。
他人を観察してみても、同じことが言えます。
先ず、わかりやすいのが呼吸に意識を向けることです。
リラックスしていないと、呼吸が乱れたりします。
また、自分の微妙な身体の傾きに注意するのもいいでしょう。
自分にとって、ポジティブなこと、そして、ネガティブなことに対して、自分の身体が反応して微妙な動きがあり、それが特徴的であることに気がつくかも知れません。
身体の傾きだけでなく、物を触る、指を触る、足を揺らす、何かを軽く叩き続ける、舌を噛むなどの動作を無意識のうちにしているのは一般的なことですが、何かを感じて、緊張したり、焦ったりしているサインだったりします。
また、腕を組むのは男性に多くみられますが、人に対して警戒している態度のあらわれだったりします。
自分の体の動きを意識することで、潜在的に感じていることに対する気づきを得ることができます。
パーソナルスペース、気を感じる
これは、二人でやるエクササイズです。
誰もが持っていて、感じているけれど、あまり意識することがないパーソナルスペースを感じる方法です。
他人と自分のオーラの範囲を感じると言ってもいいでしょう。
先ず、3メートルほど離れて、お互い向かい合います。
そして、ゆっくりと同じペースで、お互い近づいていきます。
ゆっくりです。
ある程度近くなると、心地悪い、または、少しムズムズ感じる距離がわかる筈です。
距離は、人によって違うので、あなたの方が遠い距離で感じるかもしれませんし、近い距離で感じるかもしれません。
恋人でなく、友達など、身体を密着させる関係にない人とするとわかりやすくていいでしょう。
次は、これに加えて、お互いが両手のひらを相手に向けた状態で向かい合って、ゆっくり近づいてください。
自分の右手のひらが相手の左手のひらに、自分の左手のひらが相手の右手のひらに向かい合う様にです。
自分の手のひらと相手の手のひらが同じ線上にあるような感じで、できるだけゆっくりと近づきます。
ある距離まで近づくと、手のひらに軽いピリピリ感を覚えるのではないでしょうか?
相手の手からくる気を感じているのです。
ピリピリ感じたら、あなただけが、相手と向かい合った手のひらを左右入れ替えてみてください。
あなたが腕をクロスさせて、あなたの右手のひらが相手の右手のひら、あなたの左手のひらが相手の左手のひらになるようにしてみてください。
そうすると、ピリピリ感が無くなることに気がつくと思います。
これは、気の流れが切れたことを示しています。
気は左手から入って右手から出るので、あなたの手を左右入れ換えることで、ちょうど2つの直列に並んだ電池の+極と-極を入れ換えるような状態が起こります。
もし、感じられないようなら、リラックスして、身体の調子がいい時にもう一度試してみてください。
また、二人の内のどちらかが馬鹿らしいと思っていたり、信じていないと固定観念が邪魔して感じられなかったりします。