味覚は脳が感じる
味覚は舌ではなく脳が認識します。
舌でキャッチした味が、電気信号になり脳に送られることで味を感じるそうです。
舌は脳につながるセンサーの様なものですね。
舌でキャッチするのは、甘味、酸味、塩味、苦味、うまみの5つの味に大別できるそうで、脳の各味を認識する場所は違うそうです。
また、5つの大別には入っていませんが、辛味もあります。
味覚は小さい子供ほど発達していて、歳を取るにつれて舌の味をキャッチするセンサーである味蕾(みらい)という器官が減るので、衰えるそうです。
子供は微妙な味の違いに敏感なのです。
味覚の障害
化学調味料の使われた食べ物ばかり食べていると、味覚が鈍ります。
また、体内の亜鉛が足りないのも、味覚が鈍る原因だそうです。
精神的ストレスも、味覚障害を引き起こす原因となります。
もともと味覚は、食べ物が安全か有害かを見分けるために人間に備わった機能だそうです。
酸味は食べ物が腐っていないかどうかの状態を伝え、苦味は毒物かどうかを伝える役目があるそうです。
現代の化学調味料が大量に使われた加工食品を食べている私たちには、腐敗物や毒物を区別する能力が昔と比べて衰えていると思われます。
インドのタミル文化では、6つの味として、甘味、酸味、塩味、苦味、刺激味、渋味と区別されているそうで、これらの味の食物をバランス良く摂取することが心身ともに健康で入られる秘訣と考えられているようです。
味覚が鈍ると、これらの味がまともに区別できなくなるので、料理も甘すぎたり塩加減が過ぎたりと、健康な食生活を維持するのにも支障が出そうです。
味覚と感情との関係
味覚は感情とも密接に結びついています。
特に子供の場合はわかりやすいです。
子供は、甘いものに対しては喜びの感情を見せて、苦いものには嫌な感情を起して泣いたりしますよね。
大人になると、この区別が複雑になり、コーヒーなどの苦いものでも、ポジティブな感情を得たりします。
味覚から起こる感情的反応は、過去の体験にも関係します。
ある特定の味が、過去のポジティブな、または、ネガティブな感情を呼び起こすということもあるでしょう。
強い感情と結びついた味は脳にインプットされて、また思い出されるのです。
また、特定の感情によるストレスの作用により、ある味覚を満たすものを欲したりします。
どの味がどの感情と関係があるかは、一概には言えませんが、無性に甘いものが食べたくなったり、塩気が欲しくなったり、辛いものが食べたかったりというのは良くあることです。
そんな時は、自分が心身ともにどういう状態なのかを観察してみるといいでしょう。
そうすると、自分の味覚と体調、そして、感情の関係のパターンに気づくのではないでしょうか?
味覚を磨くメリット
味覚が増すと、ものの本来の味が良くわかるようになるので、食べ物や飲み物に含まれる有害な化学的な成分や、農薬が過度に使われた食品、遺伝子組み換え食品などとそうでない物との味の違いがわかるようになります。
あまり過剰になって避けるようになりすぎると、化学物質に対する抵抗力が無くなったり、食べられない物だらけになったりというデメリットもあるでしょう。
ただ、人体に悪影響を及ぼす食品を摂取し続けると、肉体だけでなく精神面への影響も出てきます。
食物本来の自然な味のする物には、栄養も多く含まれています。
味覚は歳を取るにつれ鈍りますが、味覚を通して情報を得る能力である感受性は磨くことができます。
上にも書いたように、味覚は心身の状態を表します。
疲れていると甘いものやすっぱいものが欲しくなったりしますよね。
味覚が敏感になることで自分の健康状態の微妙な変化にも気づきやすくなります。
味覚を磨くエクササイズ
ここで味覚を磨くと言うのは、感覚を鋭くして、味覚によってより多くの事を感じる事を目的としています。
美食家の味覚を得るエクササイズではありません。
- 食事の時、口に運んだものの味に注意を注ぎ、使われている食材、調味料などを当ててみる。
- 調味料をつけず、食材そのものを食べて、そのものの持つ味を確かめる。
- 水も、味を良く確かめながら飲む。
- 薬を飲むなら、その化学的な苦い味も確かめる。
- 食べ物や飲み物が舌にふれた感触を意識し、その感触から心に浮かぶことに注意する。
- 食べている時に目を閉じて味を感じてみる。
- 目隠しをして、誰かに口に運んでもらった食べ物を当てる。
- 色々な場所で、空気の味と温度を舌で感じとってみる。
- 普段何も食べていない時の口の中の味覚を感じてみる。体調や環境、心の状態によって変化がないかに気を配る。
以上、これらのエクササイズは、味覚は単に食を楽しむ為にあるのではなく、味覚を通してたくさんのことを感じることが出来るということに気づく機会となるでしょう
感受性を豊かにするコツ一覧はこちら。