起こること全ては瞬時の決断の積み重ねの結果で自分自身の責任?


瞬時の決断


私たちは、日々の生活で無数の決断をしています。

例えば、道路を横断する時には、交通状況を瞬時に判断し、道路を渡る決断をします。

食事の時も、いつどこで何を食べるかとう決断から、料理を目の前にして何から食べるかという瞬時の決断まで、無数の決断を行っています。

このような殆ど意識しないであなたが繰り返し行う、無数の小さな決断のつみ重ねが、あなたの人生がどう転がるかに大きな影響を与えています。

意識していなくても、覚えていなくても、つみ重ねてきた無数の決断の果てに、今、あなたがいる状況があると言えます。

例えば、歩いていて転んだという状況を考えてみましょう。

あなたが、その日に選んだ道や、出発時間、転ぶ前にとった体勢や、歩くスピードはもちろん、前日に夜更かしたための疲れなど、貢献した要素はたくさんありますが、それらは全てあなたの決断によるものです。

路面の状態などは、あなたが決めたことではなくても、そこを歩くという決断はあなたがしました。

実際には、転びたくて転んだのではなくても、あなたが様々な決断を下すことによって、結果としてそこに導かれたと取ることができます。

あたりまえのことを言いますが、幸運とされる出来事はもちろん、不運の事故でさえ、その前にした決断によって遭遇するか、しないかがわかれます。

こう考えると、自分に起こる全ての事が、自分の決めたことの結果であり、たとえ好ましくない結果でも、自分自身に責任があるということが、納得できませんか?

人は、特に好ましくない状況にいる場合は、それが自分の決断した行動の結果だとは認めたくないものです。

結果は、自分が直接的に選んだものではないので、身に覚えがないからです。

でも、意識的に起そうとしていなくても、結果として起こったことは、あなたがそこにたどりつくまでに、数々の小さな決断によってかじ取りをした結果であるということです。

結果として起こる出来事に対して、「あの時、ああしたから」とか、「こうしなければ」とかいうのは、よくありますよね。

そういう時は、意識的に行った決断によって、結果が出たと自分で認識しているので、自分の責任を認めている状態だと言えます

日々の行動において、意識しないで行う数々の決断さえもが、自分の現状に大きな影響を及ぼしていることを認めると、自分の身に起こる全ての事を、自分で決めたことの結果として、責任を持って受け入れられるようになります。

言い換えると、自分の責任において取ってきた様々な行動の結果、今自分のいる状況が起こっていると認められるようになるということです。

今悩んでいる状況も、自分の責任であると取れると、他人や環境という自分の外にあることのせいにするのではなく、自分が変わらないことには悩みからは解放されないというところに行きつきます。

このことについては、前の記事、“人間関係の悩みの原因はどこにあるのか”をご覧ください。

瞬時の決断は過去の体験の影響を受ける


瞬時に下す決断は、その人の過去の体験と関係があります。

よく考えて下す決断もそうですが、瞬時の決断はより強く過去の体験の影響を受けます。

人は過去の体験により、瞬時に判断して、行動するかしないかの決断が下されます。

例えば、瞬時に出る「これをしたら、危ない」という判断は、過去に体験したから、または、学んだからそう判断するのであって、そうでなければ、危ないかどうかも判りません。初めてのことばかりを体験して学んでいく、幼い子供を見れば、これが良くわかります。

対人関係においても、あなたが取る行動や言動の裏では、意識しなくても、自分の過去の体験をベースに色々な決断をしているのです。

同じような好ましくない状況を繰り返す人には、普段何気なくしている決断が、ネガティブなパターンにはまっていたりします。

何をやってもうまく行かないとか、いつも同じような人間関係で苦しむ人は、自分が意識せずに繰り返している瞬時の決断パターンに気づくことが必要でしょう。

意識せずに決断を下すと言っていますが、決断の裏には、思考があります。

瞬時の決断に関わる思考は、反射的かつ自動的に頭に浮かぶ思考であり、普段は特に意識していないので、意識して観察しなければ、自分でも把握できていないものでしょう。

ですから、何をやってもうまく行かないとか、どこに行っても人間関係に悩まされる場合は、頭に勝手に浮かんでくる思考を観察して、自分の思考パターンを把握することから取り組むといいでしょう。

過去の体験が思考に影響しますので、決断にも影響する訳です。

私たちのエゴの持つ思考のほとんどは不要なものだそうですので、そこから出た決断のほとんども、そうだと言えます。

自らの不要な思考から出た決断の果てに、たどり着いた現状に悩んでいるという状態にあるかもしれません。

思考について詳しくは、前の記事、“悩みの思考回路”をご覧ください。