自分の傍観者となる


自分と自分のいる状況を他人も含めて傍観する癖をつけることは、今、人間関係で悩んでいるならば、意識を変えてそこから抜け出す非常に効果的な方法です。

ここでいう、傍観とは、普段生活している自分自身を、その時々の状況で客観的に、判断せずに観察することを指します。

ちなみに、“傍観者効果”とは全く別のものです。“傍観効果”とは、ある出来事に対して、自分以外の傍観者が多いと、出来事に対して自発的に行動を起こさなくなるという人間の行動傾向のことです。

傍観の仕方


例えば、誰かと話をしている自分、または、複数の人が集まる会合に参加している自分を第三者的な目で見ます。

自分がそこに存在する状況を上から見ているようなイメージです。

傍観する際は、自分の意識はどこにも集中せずに全体を観察するように、または、全体を均等に意識するように心がけましょう。

そこにいるあなたは、他者から見ると、どこを見ているのかわからず、ボーッとして「心ここに有らず」みたいな状態に見えるかもしれません。

あなたは、話している人に集中せずに全体図を見ているため、人が何かあなたに話しかけても聞いていないという状況になりがちですが、そのうちに慣れて話を聞きつつも傍観できるようになります。

何故、傍観が効果的か


自分自身、自分が関わっている人、周りの状況を傍観者として観察することで、自分の思考に囚われない意識を持って状況をみることを可能にします。

最初は傍観できているという実感が無くても、傍観者として上から見ているイメージを持つことを繰り返すうちに慣れてきて、自分がいる状況に感情的にはまってしまうことを避けることができます。

最初は、ただ、何かをしている自分を見ている別の自分がいることをイメージして、意識をイメージした別の自分のほうに向けるようにするといいでしょう。

これを続けていくうちに、人間関係で感情的に囚われそうになった時に一歩引いて、冷静になることができるようになり、動揺したり、怒ったり、ナーバスになったり、苛立ったりすることも少なくなります。

そのうち、状況を把握するのも早くなり、人のことがよく見えるようになります。

従って、対人関係において、怖気づくことなく、あがることもなく、興奮することもなく、冷静かつ、適切な反応が出来るようになります。

この傍観によって気づくとされることは、対人関係というものは本来、ニュートラルなのものであって、そこに意味を与えているのは自分であるということです。

感情的になるのも、ポジティブな感情を与えるのも、ネガティブな感情を与えるのも自分であるということです。

自分の肉体が体験している対人関係は、単なる現象であって、そこに感情を与えていい悪いの判断をして悩んでいるのは、あなた自身であるということです。

その感情を取り除けば、悩む必要もなくなるであろうと言うわけです。

この傍観者になる練習を繰り返すうちに、それが論理的にではなく、感覚的にわかるようになってきます。