自分らしく生きるとはどういう意味?


よく自分らしく生きようとか、自分らしさが大切とか聞きますが、自分らしさって何でしょう?

あなたは今の自分の姿をどう思っていますか?そして、それは自分らしい姿ですか?

もし、今の自分に対して、自分らしくないという思いがあり、もっと自分らしく生きたいと考えているなら、何を持って自分らしくないとか自分らしいと言うのでしょうか?

自分らしさは他者との関係に依存する


人があなたらしい、らしくないというのは別にして、大抵の場合は、自分自身のことを、「自分らしい」という時は、今の自分に満足している、または、認めている時で、「自分らしくない」という時は、今の自分に満足していない時、または、認めたくない時です。

「自分らしく生きたい」という願望がある時は、「自分らしくない」と感じている今の自分の状況に悩んでいる状態であると言えます。

また、「自分らしく生きましょう!」とすすめている人は、自分の生きざまに誇りがあり、自分は「自分らしく生きている」と思っています。これは、皮肉ではなく、幸せで素晴らしいことだと思います。

先ず、自分がどんな存在か考える時、私たちは社会においての他者との比較や他人の評価をもとに、自分というものを位置づける習性があります。このことは、前の記事、“恋愛、結婚生活での比較”と“他人の評価から解放される”に書いています。

社会においての自分の立場を位置づけを行った上で、その自分という存在が自分らしいのか、らしくないのかと考えるのです。

他人との関係の中でないと、自分の存在だけでは、「自分らしい」、「自分らしくない」は完結しないのです。世界には、自分だけじゃないので当たり前のことなのですが。。。

らしかろうが、らしくなかろうが自分は自分


それにしても、何をもって、「自分らしい」、「自分らしくない」と言うかには疑問が残ります。

好きなことをやって生きるのが自分らしいという意見もあれば、自分の気持ちに正直なのが自分らしいという意見もあります。感覚的に生きるのが自分らしいという意見もあります。頑張って何かに打ち込んでいる時という意見もあります。何が自分らしいかはわからないけど、今の自分は自分らしくないという人もいます。

あなたが認識する自分の現状の姿も、あなたが考える自分らしさも、あなたの自我の観念の産物です。

「自分らしくない」、そして、「自分らしく生きたい」と思うのは、あなたの自我の思考が捉えている、今の自分像と理想像なのです。

現状も自分なのに、「違う、これは自分じゃない」と、あなたの自我が否定している訳です。

自分らしく生きていると満足するのも自我の判断です。

自我の判断にいいも悪いもありませんので、「自分らしい」と取っても、「自分らしくない」と取っても、それはそれでいいのです。

でも、自我がどう取ろうが、現状の自分は自分そのものであります。

らしいとか、らしくないは、真実においてはどうでもいいことかも知れません。

自分らしさを追い求めるということは、現状の自分を否定していることにならないでしょうか?

自分らしさとは、自我が作り出す概念ですから、自分らしさを、突き詰めようとしても行きつくところはないのです。

自分らしい、らしくないと言うよりも、そのままの自分を認めて受け入れる方がいいのかと思います。