執着を解くには、あなたの過去の体験が、ダメな恋愛関係に執着する観念をつくりだしていることを理解することから始めましょう。
好ましくない現状への執着
「うまくいかないのはわかっているけど、なぜかいつも同じタイプの人に魅かれてしまう。」
「常に疑問を感じるけど、関係を続けている。」
「関係を続けているけど、本当はこの状況から抜け出したい。」
あなたは、これらのどれかに当てはまりませんか?
あなたが、自分の為に健全とは思えない状況を繰り返したり、続けたりしてしまっているとしたら、なぜそうなのか考えたことはありますか?
それは、あなたがそういう状態にある自分というものに執着していたいからではないでしょうか?
たとえ自覚がなくても、潜在的にはその状態に執着していたいのではないでしょうか?
「そんなことはない」と思うかもしれませんが、頭の中が悩みや考え事でいっぱいだと、潜在的な感情に気づくことは困難です。
一方、潜在的ではなく、「わたしって、いつもこうなの」とか、「そういう関係にひかれてしまう」と自分で肯定して納得している方もいますよね。
例えば、別れたいけど別れられない関係において、「こう言われるとつい心を許してしまう」とか、「ほっとけなくなってしまう」とか、「情で付き合いを続けている」と言うのを聞いたことがありますが、そういう方々は、そういう状況に依存している状態にあります。
本人が健全でないと思っている状態に依存しているなんて変だと思うかも知れませんが、そういう状況から抜け出すことが、不安でできないのです。
言い換えると、そういう状況に、そういう状況にいる自分に執着しているのです。
たとえ、相手が嫌いでも、憎くても、相手にではなく、そういう状況にいる自分に執着しているのです。
本当はそうしないことも選択できるのですが、あえて自分を今まで通りの枠の中にはめることを選択しているのです。
人間には自我があります。自我は形成されると必死に自我が作り出したアイデンティティーを守ろうとします。
大人になるにつれ、意識していても意識していなくても「自分はこうだ」という観念ができあがります。
観念
観念は育った環境や過去の体験により大きく影響されます。
限られた観念に縛られると、自分を枠の中(限られた世界)でしか見ることが出来ず、上に書いたような状況に執着して抜け出したくなくなってしまうのです。
そうなると、新しい世界で新しい体験をするのが億劫になります。
年をとると頑固になって新しいことを頑なに拒んだり、昔からの理解と違う受け取り方が出来なかったりする人がいるのも同じことです。
観念は自分が創りだす、世界の認識の仕方です。
「自分の見ている世界は自分が創りだしたもの」と言うのをよく聞くと思いますが、これは、自分の見方によって、世界が変わるということでもありますね。これは観念と同じことを言っていますよね。
自分の今の観念では執着する意味のあるものも、観念が変われば執着する意味のないものとなるでしょう。
物事に意味を与えるのはあなたが選択することで、本来、物事自体は意味を持ちません。
ですから、執着を解けるのはあなた自身だけなのです。
次は、“観念とは?”です。